うつ病の情報はわかりやすい

 

 広まりやすい情報のもうひとつの条件は、因果関係が理解しやすいということである。理解できない情報は逆に無視される。新聞に出るような大事件は、原因としてたくさんの要素がからみ合っていることが大部分で、因果関係はそう簡単にわかるものではない。それでも何か原因を解説しないと、読む人は納得しない。原因がわからなければ、強引に何かそれらしい原因を持ってくる。スケープゴートにされた方は迷惑どころの騒ぎではないが、原因を求める人々の心理、社会の心理は、なぜか強迫的とも言えるほど強い。原因がわからないと安心できないのである。原因が不明のままにしておくというのは、なぜか非常に不安なことなのである。

 

 事件に限らず、病気でも、因果関係がすっきりとわかるのは、本当はむしろ特殊なケー・・・

擬態うつ病林公一著より