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がんは一般的に、その腫瘍の。大きさ气。単発または複数”と。血管浸潤”あるいはリン
パ節(体を異物から守る働きをするリンパという体液が流れるリンパ管の途中にいくつもあ
る関所のようなもの)や他の臓器に転移しているがでI段階がらⅣ段階にその進行段階を分
けています。しがし肝臓がんは他のがんと違い、がんそのものの進行以外に、もとの肝臓の
食道がんや、胃がん、あるいは大腸がんなどの消化器がんでは、そのがんの進行度をO、
あるいはI段階からⅣ、あるいはV段階に分けて治療方針や治療方法を考えています。さら
に、進行度が低いがんに対し、早期がんという範疇を決めています。
肝臓がんでも次の3つの囚子で肉眼的進行度を分類しています。1つはがん白体の因子で
その大きさ、個数、さらには血管に浸潤しているかという点です。あとの2つは、リンパ節
までがんがいっているかどうかということと、ほかの臓器までがんがいっているか、という
因了です。
これらを組み合わせてステージーからⅣまで進行度を分けています。
またがん自体の因子だけでもI段階(T1)から4段階(T4)まで分けられます。T1
は直径2m以十の1ヵ所のがんで、血管に浸襲していないもので、それ以卜は大きさ・個
数・血管浸襲の有無と組み合わせT4まで分けられます。
リンパ節転移があるものはステージm以上になり、ほかの臓器までいっているとステージ
Wになります。
最新の全国調査(第1111回全国原発性肝癪追跡調査報告、日本肝癌研究会、1995年発
表)によると、肝臓がん患者の68・9%でHcv抗体が、17・8%でHBs抗原が陽性です。
これは、前者がc型肝炎に、後者がBや肝炎にかかっているということです。また、2・
8%でHcv抗体、HBs抗原ともに陽性です。
最近の傾向としては、Hcv抗体陽性率は横ばいで、HBs抗原陽性率は徐々に減少して
います。今ではB型肝炎・c型肝炎ウイルスともに肝臓の発がんに強く関係していると考え
られています。B型肝炎・c型肝炎ウイルスによる慢性肝炎あるいは肝硬変の患者さんは肝
臓がんの(イリスクグループということになりますがら、定期的なチェックを受けることが
是非とも必要です。
また、これらの肝炎ウイルスは人から人令っつることが即題で、この感染を阻止すること
が肝臓がんの最大の予防です。ウイルスによる慢性肝炎では、u型は出産時の産道感染、c
型では血液を介する感染が間題になります。
肝臓がんの治療法には、大きく分けて手術とそれ以外の治療があります。ほかのがんと同
じように、手術で耿りきれ牡は根治する可能性があり、丁帳療法は最も根治度の高い治療法
であることは言うまでもありません。肝臓の機能が悪いと子術に耐えられません。つまり、
肝臓の一部を耿った後、残った肝臓が十分でないと手術後に肝不全(肝臓の機能がなくなり
最後には死亡すること)に陥る危険があります。肝臓かんの場合は、肝硬変や慢性肝炎など
を合併していて、もともと肝機能の悪い患者さんが多いため、これは大きな間題です。手術
に耐えられないと判斯された場合は、手術以外のエタノール汗人療法(P・KIT)や肝動脈
塞栓療法(TAE)などの治療法を選択します(第2章〈肝臓がん〉「手術をしない場(口の
治療方法を教えてください)参照)。