錠剤調剤の鑑査

 

 調剤過誤を起こしやすい剤形は,錠・カプセル剤である.これは錠・カプセル剤を扱う割合が大きいことや,調剤行為が他と比べて単純で所要時間も短い分,自己鑑査が怠りがちとなることが考えられるが,薬剤の①品名,②剤形,サイズおよび形状,③色調,④本体あるいは包装上の識別コード,⑤包装のデザインが酷似している場合が多いこと,などがその発生原因として考えられる.調剤薬鑑査もこれらの点について重点的に注意して行わなければならない.

 

 これらの過誤対策としては種々の方法が考えられる.錠剤棚の配列は50音順と薬効別の組み合わせによって配列されるが,そのなかでも薬剤名や,包装などよく似たものは一緒に並べないとか,含有量の表示を色別にするなどの方法がある.また薬袋を入れ違えたり,スタンプなどによる服薬の指小を間違えたりすることも錠剤調剤の場合は多いので注意しなければならない.